ロードのホイールハブ周りのメンテと取り扱いについて少し書いておこうと思います。
まずクイックの締め方の一例です。※この方式はあくまでも例であって絶対でも特に推奨でもありません。

↑の19時あたりの角度で気持ち軽めの調整でクイックレバーを倒して、

5~10度程度締める方向に回します。あんまりやると締めすぎで反対側のナットが壊れたり、ベアリ
ングにも良くありません。
※何度も言いますが、この方式はあくまでも例であって絶対でも特に推奨でもありません。

サンプル車はCAYOの左エンドですが、この手のU字が浅いものはクイックが緩いとスプリントでズレて
くることがあります。CAYOはこれが顕著で、バックフォーク全体の造りも関係しているのかもしれませんが。
またエンドが凹形状になっているせいでレバーを倒す方向が制限されていて、レバーオフセットが大きい
マビックやカンパ以外のクイックは下方向の19時~20時のあたりを狙ってレバーを倒すことになります。
実際にやってみると範囲は狭いし狙いすぎると起こしにくくなるしで面倒なので、一旦19時で緩めに倒して
20時まで少し締めるというのが非常にやりやすい。
上記は絶対ではないし、先に述べたように加減をしないとナット側のネジを舐めることがあるし、ベアリングに
与圧が掛かりすぎてベアリングの寿命を著しく縮めることもあるのであくまでも参考程度にしてください。
目いっぱい締めたからといってシステムの剛性が上がることはありませんし、ベアリングの件の
ように「モノには適正な値」というのがあります。
一度これをやってみて、
「結構強くして必死でレバーを倒したと思っても締める方向に結構回せる」という
ことを知るのも良いかと思います。
逆に
その(普段やっていた)程度の締結力でも大丈夫なんだということも理解すればOK。

あとクイックレバーの向きですが、リアは内側の下方向で出来るだけ水平近くへ。
フロントは後ろ水平方向を推奨します。
ふじいのりあき氏も書いていますが、
「せっかく空力を追い求めた機材に乗っているのにクイックの向きで空気抵抗を増やすのはもったいない」。
ホントそうだと思う。機材を開発した人たちとモノ自体への敬意も含めたい。
なおプロのロードの単独タイムトライアルでは後ろのクイックレバーも後ろ水平方向に倒すケースがあり
ましたが、最近は見なくなりました。規制されたのか気にしてないのか。

そして玉当たり調整の話です。
クイックを締めると玉当たりが変わることがあるし、ハブシャフトを手で軽く触った程度でガタを検証することは
無理なので、装着状態でしっかりクイックを締めてからフォークを掴んで力いっぱいリムをニギニギしましょう。
ここで「カクン!」「コッ…コッ…」ってなったらアカンやつです。ならないところまで玉当たりを締めましょう。
カンパも結構ガタがある例を見ますが、特にマビックのQRM+でユーザーが触ってガタが出ていない事例を
見たことがない。QRM+は相当締めないとガタが消えないのですが、そこまで締めると回転が悪くなります。
でも走っていてタイムが落ちるとか抵抗感があるとか無いから安心してください。
むしろ僅かでもガタが出てる方がよっぽどタイム落ちると思うよ。せっかく横剛性番長のマビック使ってるのに
横がガタガタって使ってる意味なしやんけ。
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