①の続き。
たいして読まれもしないのに一々分かりやすさを考えて書くのがめんどくさいので、読みやすさなどはあまり考慮せずに書き散らしておきますわ。

キャブセッティングの基本が以下になります。
1. セッティングの答えはほぼ一つ
2. キャブレーションは開度に対する吐出量
3. 重要なのは1/8~1/4開度1は「こんなもんベストなんて決まらないから自分でベターを決めれ」というだけのお話。
2に関しては基礎なんですが、キャブレーションは「開度に応じた吐出量」なので、
不調を感じる開度を見て受け持ち部分が何処なのかを見極めるだけの作業です。これはFIも同じです。
開度も見ずにSJやニードルと段数、MJを何度も繰り返し変えたり戻したりするとどうしても時間がかかりやすい。
結局は
答えはほぼ一つで最後は決まる(決める)わけなので、そこに行きつく最短距離を考えた方が良いと思います。
3は重要で、パーシャルの安定感、過渡特性、燃費、全体的な扱いやすさを支配しているのが1/8~1/4開度。
特に1/8は最重要な開度でありセッティングが難しいところだと思います。
理論空燃比もあまりアテにならずシャシダイかけても数値が出にくい領域でヒジョーに判断しにくいので調整者の腕が試されると思う。
MJ番手なんて(それまでにそのMJで特に問題無ければ)最後でいいんッスよ。

上の画像はFIのサブコン(パワーコマンダー)のセッティング画面です。
開度に対する吐出量が升目になって分かりやすそうなので載せてみました。
キャブもこんな感じでセッティングできると楽なんですけどね。。
FIは主に回転数と開度で吐出量を決めていて、あとのセンサー類は補正と安全装置のトリガーをしています。
例えば上の表では3000rpm時に開度5%で吐出量-8%という設定にしています。-8%は数字で見ると結構大きいけど実際走るとそーでも無い。
シャシダイでグラフに変化は出ても実走の感覚ベースで言えば分からんことが多い。正直燃調なんてそんなもんです。
肝心なのはシャシダイで数字が出たからといってストリートはもちろんサーキットで速くなるかといえば決してそうではないこと。結局は「好み(ドンツキが嫌い、あるいは好きとか)」と「目的(燃費重視など)」で決めればええんやで。
メーカーの市販車のセッティングも最終的にはテスターの感覚で決めてるし、最高のグラフ数値を出すことよりも過渡特性を重視してるわけです。そっちの方が気持ち良くてコースでも速いでしょうね。しらんけど。

先のFIの話を念頭に置いてFCRのメーカーのセッティング資料を見てみます。
よく見れば(いや、よく見なくても)縦軸にパーセンテージがあります。
平気で15%とか変わるけど結構大きな値だと思いませんか。15%も燃料を減らすわけですから。
みんなジェットとか気軽に変更してるけど実はパーセンテージで見るとかなり大幅に動かしてるわけです。
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これらを踏まえて自分のSRを再セッティングしたデータを記載します。
狙いは1/8~1/6開度を薄くすること。プラグを見ても明らかに極低開度で濃い症状が見えるし燃費もかなり悪いため。
OCEMS 5段 → OECMT 2段
MJ#160 → #152
SJ#55 → #50
AS 1-1/3回転戻し → 4/5回転戻し
PS 1-1/2戻し → 1回転戻し
MJは最後に弄りました。
ストレート径を薄い方向に1ランク変えるだけでも変化はかなり大きいです。
始動直後はキャブがくしゃみして全く安定しないので驚きますが暖まると問題ありません。
油温計で見ているとSRの場合は55℃までは暖機終了と言えないようです。
ストレート径を濃い方向に2ランク3ランク変える人が居るけどどうなんでしょう。
濃い方向にすると体感で症状が掴みにくいので迷走しやすくなるし、そこまで変えると分からなくなってくるので他の基本的な場所を弄って良しとした方が良い気がしますが。。
OCEMSが一番ベターを出しやすい「基本のニードル」であることは間違いないので変えすぎはあんま良くない。

グラフに書き出すとこうなります。
セッティングデータだけだと大したことないように見えても実際には驚くほど変化させているのがおわかりだろうか。
ポイントは
ちゃんと開度を見て各々の受け持ちの増減を総和して数字として書き出すこと。これをやらないと狙った領域で中々増減できておらず見当違いのところを弄り続けることになりやすいし、総和で書き出さないと実際の変化量が数字として管理出来ないのであちこち変えたり戻したりを繰り返してしまう。
それでも最後はセッティングは出ますけど、それは結果としてのジェット数値が手に入っただけ。
そこに至るまでの道筋が右に左に前に後ろにと千鳥足状態なのでセッティングするためのデータとして積み上がりません。

真っ黒だったプラグもマトモな焼けになってきました。
それでもまだ煤は多めですが、これ以上はマフラーの抜けを良くしないと難しそうです。
しかしこのSRは直すごとに燃調が濃い方向にズレて行った理由がよく分かりませぬ。
カーボンで高圧縮化→濃い燃調を求める→カーボンが溜まってさらに高圧縮化の悪循環になっていたのが直っていったからなのか?いずれにせよ安易な高圧縮化はデメリット多いですな。
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とりあえず以上です。科学というより数学、いや算数ですね。誰かの参考や何かのヒントになればいいけど。
今度FIのセッティングも少し書く予定ですが、そちらと併せたらもう少し分かりやすいかもしれません。
FIもキャブと同じなので。
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