CAYOのケーブル周りの修理です。
ヘッド部分にあるリア側のケーブルの受け(アジャスター)が錆びて固着して、回そうと思ったらパキッと
折れまして。
2年くらい見て見ぬふりをしていたのですが、たまにシフトがズレるときがあるし、インナーワイヤーに無理が
かかって遂に切れてしまったので重い腰を上げました。

パッと見は問題なく見えます。
実際動作はさほど問題ないです。

折れてるんですねぇこれが。
汗とか水とかガンガンかかるので当然こうなるわな。でもフロント側はここまでではないのはなぜだろう。

折れ残った部分を撤去します。
最初はドリルが滑りやすいのでアルミで囲いました。


小さいドリルから大きなドリルへ。

簡単に取れればいいですけど今回は少し難儀しました。
モノがモノだけに素材的にチョイ硬くて、中々取れません。

取れました。ふぅーいい仕事したぁ

タップで綺麗にします。普通ピッチのM6でした。助かった。

残ったアジャスターのボルトで元に戻しても良いんですけど同じことの繰り返しです。
※ちなみにシマノの汎用アジャスターの中身が流用できそうです。
ここはアジャスターが長すぎて取り回しに無理があるのが新車時から気になりまくっていたので、
この機会に元の状態に戻すのはやめて改善します。

組み戻す前にやること。ワイヤーを通すための事前作業。
30番くらいの太い糸に短く切った針金をテープで付けます。
このとき使うテープはマスキングテープが良いみたいです。画像はセロテープですがマスキングに
貼り直しています。
インターナルルーティングはワイヤーが切れる前ならワイヤーライナーを通しておけば何の苦労も
ありませんが、今回のようにワイヤーが切れてしまったら大変です。

ヘッドから入れてネオジム磁石で誘導します。

ダウンチューブ側はわりとすんなり出てきました。

これにライナーを付けて通しておきます。

チェーンステイ側は内部が汚いらしく、色々引っかかって出てこない。ここは強度確保で積層も分厚い
ので磁石があまり効きません。
なんとかBBの近くに引き寄せ目視できるところまで来たのに最後のちょっとで引っかかります。
なので画像のようにワイヤーライナーの先端に細く割ったネオジム磁石を付けて、フレーム内に差し
込んでキャッチする作戦に。
磁石は割っても割ってもそれぞれが独立した磁石になり、割った傍からN極とS極が出来ます。
面白いですねぇ。これは小学校の理科でも習いましたね。

やっと出てきました。随分苦労しました。
このCAYOのチェーンステイ内の汚さと構造には常に苦労させられてます。

前々からエンド側に長~いワイヤーライナーを仕込んでますからね。
素の状態だと綺麗にインナーワイヤーが這わないみたいで、こうしないとシフトが安定しないんです。


ライナーも通せたのでヘッド側の新しいアウター受けを旋盤で作ります。
7N01の削り出しです。実は光モールの6063のアルミ丸棒で作ってみたら2回失敗しまして。
所詮サッシ材ではこういう小物を作ること自体が無理でした。

そのままでは腐食するのでPG80を筆でぬりぬり。
見栄えは悪くないです。

テフロンのワイヤーライナーをラッパにして仕込み、G17で留めました。
ライナーを入れておかないとせっかく作ったパーツが摩耗しますんで。

あとついでに2010~2014年式のエルゴのウイークポイント部分を改善しました。
赤丸のところでインナーワイヤーが切れやすいやつです。

黄色いガイドを外して角を少し削ります。ここの角が僅かに出てるねん。

戻したらテフロンライナーを差し込み、アウターワイヤー側をラッパにして、1cmくらいまで短
く切って仕込んでおきます。あまり長くすると引きが重くなるし、Rのところでインナーが通しに
くくなって整備性が悪くなりそうでした。

組めました。アジャスターはJAGWIREの小型のものを使ってインライン式にしました。
受けが短くなったのでかなり無理が無くなりました。
見た目もすごく良いじゃないですか。本来こうあるべきだ。