SP2のスイングアームをドイツの人に譲ってもらったので修理して塗装しました。

↑塗装前の全体像を撮影し忘れたので塗装後の画像です。

これが塗装前のスイングアームのアップ。なんか肌がおかしいですね。


うんうん。知ってた。ひどい上塗り。

とりあえず剥離剤で剥離していきます。
所詮アルミの上にホンダの
謎エナメル塗装なので結構効率よく剥がれていきます。
なお剥離剤を嫌う人がいますが私は好きです。少なくとも個人さんには強くお勧めします。
粉塵や騒音が出ないのでスペース確保や環境への配慮が必要無いし電気も要らない。高価な道具を
揃える必要もありません。残留が起こるのは剥離を半端にしてしまった場合や単なる洗浄不足ですし、
洗ったあとで錆びるのが嫌だと言ってもどうせ足付けでペーパー当てるから落とせる。
そもそも
環境と道具が揃った職人と制約がある個人のベストな選択肢が同じとは限りません。 ここ大事。
剥離剤を使わないのは母体が樹脂だったり単純な面だったとき、足付けだけでいける素地のときかな。
色々な方法を参考にして、自分の作業工程をイメージして、そこにそれぞれの方法を当ててみてメリット
デメリットと取捨選択を考えましょう。
要は出来りゃいんだから難しく仰々しく考えんなってことだよ。
こんなもん失敗しても死ぬわけじゃないし、よく考えて決めてやったことで失敗したらそれはそれで
心に刻まれて次は失敗しなくなるかもしれないでしょ(しないとは言っていない


さておき、塗装を剥がすと全容が見えてきました。
結構傷が多いです。パテ埋めして誤魔化してたわけではなく、傷の上から雑にスプレーされていたので
フツーに分かってましたがw

このスイングアームは右側のスイングアームスタンドフックが転倒で壊れていて、フックのネジが曲がって
埋まってフックマウント自体も後方斜めに曲がってます。



まずネジを掘り出しまして。

GM-8300で面だけ整えました。曲がってるのを剥がして再溶接するべきなんですが以下で
しないという判断しました。
・一々直すのめんどくさい
・個人的にフックは使わないし
・そもそもフックマウントが無い年式がある(確かSP2は最終年式のみこのマウントがある)
・付けたくなったらねじ込めば一応使える(面は直したのでぱっと見は元通りな感じで取り付けできる)



傷はパテ埋めしてミッチャクロン塗ったまま下地無しでPG80のディープブラックの3分艶を作って復元しました。
実はこのスイングアームのレストアが完了してから1年以上経過していますがまだ装着していません。
得られるものに比して作業が面倒だから。。。。
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昔はSP1の定番改造でSP2のアームも安価によく出回っていたんですが、特に今年になってからは北米
でも暴騰して入手難になっています。暴騰については日本で急に人気になったことも関連していると思い
ます。
そもそもSP2スイングアームにするメリットは非常に少なくてお金と手間だけが多いです。
スイングアームだけでなくエンジン側の非売品のカラーも必要になるので、カラーをワンオフするか、SP1
のカラーにさらに打ち込む内径縮小用のカラーを作るか、カラーのためだけにSP2のエンジンまたは中古の
エンジンケースを入手するかしかありません。ピポット周辺のショートパーツも結構必要で、これらも廃盤で
取り合いになっています。
マトモに揃えるのが困難なこともあって、以前オクでとんでもない付け方をしているSP2アームもありました。
なんやかんやで普通の人が10万円くらいかけて得られるものは僅か。
2cmくらいアーム長が伸びることと、800gくらいの軽量化、HRCっぽいエキゾーストの取り回しが可能に
なることくらい。
ピポット径が下がることで剛性がうんたらとかありますが、プロのレーサーがレーシングスリックでサー
キットで限界攻めないと違いは感じないであろうことなのでメリットの内には入れません。
なので私は
「やめとけ」とアドバイスします。少なくとも現状ではプレミア付き過ぎてるから。